【学部2年生向け】建築の設計課題への取り組み方を考える~練習試合と筋トレの往復編~

建築学生のみなさん、設計課題楽しんでいますか!?

 

楽しんで課題に取り組むために、そして単に課題のレベルを高めるためだけでなく、設計課題を通じて「探求力」を身につけたいという人のために、効果的な取り組み方を考えてみます。

 

先日、インプットの効果を高めるためにアウトプットも併用すると良いよ、という記事を書きました。

ronro-bonapetit.hatenablog.com

この中で設計課題を野球における練習試合、建築史や一般教養を学ぶことを体幹レーニングにたとえています。

 

さて、多くの学生にとって、設計課題はいきなり直面する新しい経験だと思います。

国公立の大学では、学部2年生時ころから設計課題への取り組みが始まると思いますが、1年生のころから建築に関する授業をたくさん受けていたり、自ら積極的に情報収集している人はあまり多くはないでしょう。

そのような状況で、ヨーイドンで設計課題がスタートし、「面白いモンつくってみろ」と言われるわけですね。なんてこった。

 

よくわからないなりに手を動かしてみて、模型を作ったり図面を描いたりしてみる。

すると先輩や先生から、「君の案は〇〇に似ているね」などと言われるわけです。

ここで「なんでそんなこと言うんですか! 僕が考えたオリジナルですよ!」なんて思わないでください。

むしろこんな大チャンス滅多にないのですから。

 

同じ時代に生き、同じような問題意識を抱えている以上、真似したつもりでなくても似たような取り組みを実践している先駆者はいるものです。

それも仕事としてお金を受け取れる、高いレベルで。

しかもそんな作品を先生や先輩が「知っている」、つまりそれなりにメジャーな作品とあなたの思考に重なる部分があるのですよ? 一旦深呼吸してそんな自分を褒めてあげてください。

 

さてここからが問題。

「なんだ、すでにやられてるのか。じゃあ違う案を考えよう」

これはダメ、ゼッタイ。

むしろその建築を深く知ろうとする姿勢が大切です。

似た案を考えている時点で、あなたはその建築家に共感してもらっているのだと思い込んでみてください。

その建築家がなにを思ってそのような作品を設計したのか、どのような問題意識で、どのような時代背景で、どのような方法で。

掘っていくと、必ずその言説だけでは理解できない部分が出てきますね。

こうなったらもう、きちんと理解できるまで掘り尽くすしかありません。

気づいたら筋トレの毎日です。

 

なにも毎度の設計課題で必ず評価されずともよいのです。

アイディアが浮かばない、とただひたすら手を動かし、不眠不休で模型を作っては壊し、を繰り返す学生もいます。

世界にはあまりにもたくさんのアイディアで溢れすぎているにもかかわらず、そんなことには目もくれず、です。

設計課題を通してあなた自身がどんな課題を見出すのか、ひとつの考え方としてもっておくと良いかもしれませんよ。