個人での情報発信をブーストさせる、他者との協働のススメ
個人でnoteを書きはじめてちょうど2年、合計55記事を書いてきました。
フォロワー数は3万7千人を越えたので、投稿数を踏まえると比較的多い数字だと思います。
会社員の仕事とは別に、わざわざ個人で発信するうえで、意識してきたことがいくつかあります。
多くは僕自身が編集者を本職としているために設定しているもので、編集者でない人にとっては無関係のものも含まれています。
ですがそのうちのひとつ、自分以外の「他者」と協働することによるメリットが、目的によらず発信する人にとって役立つ考え方かなと感じたのでシェアします。
55の記事のうち、およそ10記事程度は僕個人で完結することができないものでした。
僕の方から「取材させてほしい」と依頼したもの、話をしているうちに「これnoteに書いてもいいですか?」と相談したもの、あるいは「今度こんなイベントを予定しているので取材してもらえませんか?」とお問い合わせいただいたもの。
いろんなバリエーションで「他者」との協働による記事を書いてきました。
いずれも会社員として付き合いのある方ではなく、noteでの活動をきっかけに知り合った方々です。
個人での発信の場に、なぜわざわざ他者を介入させるのか。
自分が好きなことを好きなように書くだけで十分じゃないか、と思われる方もいるかもしれません。
確かに事前の企画相談から日程調整、執筆後の確認依頼など、ひとりで完結する限りは必要のない手間や時間が発生するのは間違いないです。
慣れていないと記述内容や文章表現に対するやり取りで、100%納得のいくものに仕上げることができない可能性ももちろんあります。
ただ、それを補って余りあるメリットがいくつもあるので、情報発信を頑張っている方にお伝えしておきたいと思います。
メリット① 自分のアウトプットを客観視できる
自己完結型のアウトプットの場合、どれだけ客観的に捉えようと思っても限界があります。
ほかの人に感想をもらうとしても、自分が書いたものに対するフィードバックを自分が受けるわけなので、その感想に対して主観で向き合うことになります。
記事の文章表現に対するフィードバックはイコール自分の文章表現に対するフィードバックであり、記事の根底にある思想や主義主張に対するフィードバックは、そのまま自分へのフィードバックです。
一方、アウトプットに他者を介入させるとどうなるか。
たとえばだれかにインタビューをさせてもらった記事を書くとします。
この場合記事はそのだれかと協働して制作するものになります。
記事のどの部分にどちらが責任をもつのかは、制作プロセスによって変わってきます。
結果的に、記事に対するフィードバックも、すべてが自分へのフィードバックではなくなるということです。
発言者(インタビュイー)の話す「内容」や「考え方」に対するリアクションは、発信者(あなた=インタビュアー)に対するリアクションではありません。
あくまで発言者へのリアクションになります。
一方で、「この人にインタビューするならこういうことを聞けよ」とか、「このテーマだったらあの人に聞くべきじゃない?」とか「内容がハイコンテクスト過ぎて頭に入ってこない」みたいなフィードバックは発信者に対するフィードバックです。
前者のフィードバックについては、あなたがアウトプットした内容に対する客観的なフィードバックを獲得できていると考えることができます。
読者からのフィードバックを客観視できるとなにが良いのか? についてはまたの機会にまとめます。
これは簡単なことのようでいて、個人でのアウトプットにおいては意識しないとなかなか得難い経験です。
基本的に自分のアウトプットは自分の責任で管理するものであって、本来いかなるフィードバックもむき出しの自分で受け止めるべきものですからね。
メリット② 別文脈での議論を知れる
至極当たり前の話です。
だれかを取材して記事を書いた場合、発信者ではなく発言者に興味がある人が読んでくれ、その人の活動がどのような人にどのように見られているのかを知ることができます。
基本的にだれかを取材する場合、あなた自身はその人に興味があるのであって、その人に興味がある人に興味があるわけではないと思います。
取材するにあたって、当然その人自身の活動や過去の発言などはチェックするとして、ではそれがどのように受容されているのかまではなかなかうかがい知れません。
それを記事にすることにより、自分が面白い、取り上げたいと思った人の活動が、その分野に興味のある人や専門家からどのように受け止められているのかを知ることができる。
これをメリットと感じるかどうかは人それぞれかもしれませんね。
本気出せば自分で調べられることではあります。
このメリットを有効に活用するためには、自分が興味をもってはいるが、全然異なる取り組みをしている人を対象にするのがベターです。
メリット③ ひとりではリーチできない読者に届けられる
これも言わずもがなですね。
②と被る内容でもあります。
極論、自分の10倍影響力のある人との協働で記事を制作して、その人がシェアしてくれれば普段の10倍読まれる確率も高まるわけです。
そしてそれはあなた自身の専門領域と遠ければ遠いほど、普段とは異なる読者層に読まれることでもあります。
とはいえたとえば建築について書いている僕が、スマホゲームアプリ開発をしている人にアイドルについてインタビューしてもなんのこっちゃわからない記事になってしまいますね。
自分の専門性と相手の専門性の交わるところや掛け合わせによる面白さが生まれるように考える必要は当然あります。
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そんなことをまとめようと思ったきっかけが⇩の記事です。
Twitterで感想くれた方も多くいたので、記事内に出てくるキーワード等で検索してみると立体的な議論を知れるかもです。